ボール盤のメンテナンス
先日、中古のボール盤を購入しました。
新品で手が届く価格帯では中国製の機械しか手に入りません。
しかしながら耐久性も精度も程度の良い国産中古の方がよっぽど
良いとの情報だったので探して購入しに行くことにしました。
ちなみに探したサイトは
という所で、中古機械を取り扱う会社が共同で運営されているそうです。個人でも相手してくれますし、色々な会社の在庫を検索できるのでありがたいですね!
で、購入したのがコチラ。ポストのサビ加減から程度を判断して引取に行きました。ちなみにエンコースのESD350Sという機種で年式は不明、35000円。中古機械屋の方が言うには程度が良ければ古い国産機械のほうがコストダウン入ってない分品質が期待できるとの事。ボール盤はベルトカバーが樹脂になってる物は新しい目の印だそうです。機械の重量は75キロあるので積み込みも積み下ろしも大変でした。一人では当然無理なのでベースをバラして便利屋さんを一人お願いして搬入しました。
で、肝心の精度ですが、まず主軸の上下を担当する軸にブレやガタはありませんでした。この状態の主軸を手で揺すってもダイヤルゲージの針は動きません。ここにガタがあると再起不能との事だったので一安心です。
つぎに主軸のフレです。真円度の保証されたテストバーは無いので太めのドリルを咥えてその軸で計測しました。両振りで90μm程度、メーカーの出荷基準は主軸で30μmだそうですが、、、とりあえず現状確認できたのでよしとします。
次はテーブルと主軸の直交度合いを調べます。ダイヤルゲージをスタンドごとチャックに咥えさせて、回しながら台の前後左右の高さの差を測ります。結果、左右で140μm程度あります。結構差があるので調整することにしました。
ちなみに作業中はベルトを外しておいたほうがスムーズに軸を回せるので良いです。
テーブル下のボルトを2本緩めるとテーブルを傾けることができます。
あとで判った事なのですが、緩める量は最低限にしておかないとテーブルの前後の傾きに影響がでるようです。
あとは先ほどと同じようにゲージで測りつつ高い方をゴムハンマーで叩きながら揃えていきます。ボルトの締め付けでも精度が狂わないか慎重に締めつつ測りつつを繰り返して最終的にはほぼ10μm以下に追い込むことが出来ました。
こちらのテーブルは250mmの巾を持っているので精度としては25mで1mm傾いているかどうか・・といったレベルになります。
機械設置台の作製 3
前回の計算を基に作業台の作製をしました。材料はどこのホームセンターにでもあるような合板と2X4の角材です。この角材であればコーススレッドと専用の金具で確実にフレームを組む事が出来ます。
ちなみに金具もホームセンターで取り扱っていたのですが
シンプソン金具という業界的には有名な物のようで、色々種類があるそうです。
さすが誰でも家を立てられる工法から来てるだけの事はありますねー
作業中の写真が無いのですが、合板の下に角材を目の字に組んでいます。そこに木ねじで天板を固定しています。天板から角材が飛び出しているところは1820で購入したはずなのになぜか長かったのを見抜けなかった為です(笑)最後にジグソーで切り飛ばしました。
足を付ける所も写真がないのですが、思いの外グラつきが大きいのでフレームを壁の間柱に固定して剛性を上げました。その時に使ったのがこれ・・・
面白い事にホームセンターで買うよりも1000円ぐらいAMAZONのほうが安かったので助かりました。もちろん結果もバッチリです。
で、最後に工作機を置いてみました。全部で140kg程度のはずですが、全く撓む様子は見られません。この台を2台作って材料費が15000円程度。見た目は悪いですが気遣い無用で楽に使えそうなので個人的には満足しています。
機械設置台の作製 2
前回は脚の強度について検討し、IKEAの製品6本で十分な強度を確認できました。
次は天板の強度を考えます。
天板は12㍉厚 1820*750の構造用合板を使います。もちろん室内で使うのでシックハウス対策のなされているF☆☆☆☆の表記を確認しています。本来は壁下地か床下地に使う材のようですね。
その下に2X4材を目の字に組んで補強を入れます。
強度の検討ですが、脚を6本使うので実質910*750の梁のタワミを考えます。
↓ 200kgf
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△ △
だいたいこんな感じの支持梁と仮定します。
安全側で考えるので両端は自由に回転出来る形で考えます。
本当は△が脚になります。
この場合、最大応力は12.4MPaです。
また、梁は両側にあるので台の真ん中に置けば半減します。
SPF材の規格下限値は14.7MPa(らしい)ですのでこれも問題ない事が分かります。
次に天板に直接かかる力によるせん断応力を検討します。
極端な話ですが、重量物の脚が紙のパンチのように合板を突き抜けないか・・・という事です。
合板のせん断応力が幾らなのか、、正確な値はわかりませんが複数の合板のせん断応力が書かれた資料を見る限り4MPaを下回る事はなさそうです。
そこで、10mm角の脚一つを仮定します。その場合せん断面の面積は12*10*4=480mm^2となります。従って1920N(196kgf)まで支える事が出来ます。
実際には脚は複数ありますし、10mm角の脚も考えられません。
以上を考慮すると天板の強度と6本脚の選択は合っているように思います。
ということで実際に材料を買い出しして制作にとりかかる事とします。
機械設置台の作製
引っ越し先の工作室に置く台を作製します。
とりあえず脚はコチラ
今のパソコンデスクもIKEAのこの脚と天板を組み合わせるタイプなのですが、1本250円と非常に安いです。ただ天板はここ2年ぐらい使ってみて微妙にタワミが出ている事を考えると重量物を置くのは避けたほうが良さそうです。
作業台に載せる物の重量ですが、安全を見て200kgと仮定します。
作業台の大きさは1820mm*750mm
脚は6本とします。
まずは脚の強度を考えます。
長さが700mm 直径40mm 重量が660mmでした。
磁石が付くので普通の鋼管と考えると肉厚は0.9mm程です。
まずは垂直方向の荷重に耐えられるか考えてみます。簡単な問題ですのでその手の計算をやってくれるフォームがコチラ↓
Autodesk Inventor(オートデスク インベンター)の使い方 - 材料力学計算
21926Nとでましたので、2237kgの重量物まで耐えられる計算になります。必ずしも座屈まで壊れない訳ではないですが。。。
次に脚の曲げ応力に対する強度を検討します。
テーブルに固定し、床には置くだけなので片持ち梁と考えて計算します。
ここ+材料力学の公式を組み合わせて考えると脚1本あたりに生じる最大応力は222MPaとなりました。普通の軟鋼板であれば270MPa程度の強度があるので問題ありません。実際に片持ち梁状態になることは無いので十分安全です。
次は天板の強度を考えます。
レーザー加工機で表札を作ってみました
久しぶりにマトモ(?)な物を作ったのでブログを更新する気になりました。
現在ある物件をリフォームして引っ越しをする計画を進めているのですが、
外壁・屋根再塗装 クロス貼り替え 内窓完備 一部間取り変更・・・・とすすめていくとかなりの額になるんですね。新築の1/4ぐらいでしょうか。その打ち合わせの中で表札を自作で・・というふうになりました。
まずは材料です。近所のホームセンターの木材売り場で手に入れた板材です。きれいにカンナが掛かっているので平坦が出ています。上下端の部分は紙やすりの240番と400番を使ってサラサラになるまで削っておきます。横幅で300mm厚みは15mmぐらい。これで400円でした。
まず練習がてら端材に縮小したデータを彫刻します。
ヘッド速度とレーザー強度で仕上がりの印象が変わるのですが、350mm/sの20%程度を切ると線の部分で彫刻が不安定になることがわかりました。また200mm/s 40%ぐらいにするとかなり深く濃く彫刻できます。今回は妻のリクエストもあり350mm/sの25%で進めることに決めました。
また、加工中は木のヤニが蒸気となり周辺に付着するのでワークの表面はマスキングテープで完全に覆って汚れから守ります。
次に本番です。位置決めに注意を払い、約1時間かけて彫刻しました。
この加工機の心配はとにかく”中華=信頼性低い”ですね。無事に彫ってくれて安心しました。
あとはニスを塗って表面を固めます。そうしないと雨風で腐りそうですし、なにより触って汚れそうです。白っぽい木目と加工部の茶色のコントラストを生かしたかったので透明クリアを使いました。
仕上がりはこんな感じで。写真では伝わりにくいですがツヤツヤです。
また、加工部の木目が鮮やかな印象になりました。
このニスですが臭いは少なく。作業中に周りも含めて嫌な感じにならないのが良い感じです。乾燥は排気対策⑪ - 宮のレーザー加工所で紹介した排気フィルターボックスを
を活用しました。フィルターと排気ファンでかるく風のある環境でホコリを避けつつ乾燥させることができました。意外な使用法ですね!